PPE(個人用保護具)の管理と点検について パート1 個体識別番号

PPE(個人用保護具)の管理と点検について パート1 個体識別番号

Fオンラインストア管理人のKENです。

今回のテーマは"Personal Protective Equipment"(PPE)の点検と管理についてです。

Personal Protective Equipment:PPEについて

日本では「個人用保護具」や「個人保護用具」と呼ばれていますが、呼んで字のごとく作業者個人の保護をする為の用具が該当します。

現在日本で流通している海外メーカー製の用具は主に欧州の規格(EN)やアメリカの規格(ANSI)などに適合しています。

ヨーロッパ規則では個人用保護具:PPEを対象となるリスクに応じて3つのカテゴリーに分類しています。

ロープアクセス等で使用する用具の多くは「カテゴリー3」という”死亡もしくは回復不能な損傷等の深刻な結果につながる可能性のあるリスク”で使用する用具に分類されています。

「管理を行う」とは

前段の通り、ロープアクセス等で使用するPPEは重大なリスクを回避する為の用具であり、「点検」や「管理」がとても重要だということは言うまでもありません。

一言で「管理」といっても何を管理するのかを知っていないとはじまりません。

管理項目としては主に下記の内容を管理する必要があります。

  1. ユーザー名(使用者名)
  2. 会社名
  3. 会社住所
  4. シリアルナンバー(識別番号)
  5. 製造年月
  6. 社内管理番号やID
  7. 購入日
  8. 購入先
  9. 使用開始日
  10. 特殊な環境下での使用履歴
  11. 集中点検履歴
  12. その他コメント

管理の様式は色々とあります。メーカーによっては最新の用具についてはRFIDのチップやタグで専用トラッキングシステム上で管理出来る商品も出てきています。

当社では現在のところExcelファイルで約2,000アイテム以上のPPEの管理をしています。

このパート1では管理にあたり、「シリアル番号」について良く質問を受けるので、シリアル番号について書いて行きます。

個体識別番号について

PPEを管理して行く上で、各用具を個体別に管理することはとても重要です。個体別管理にはメーカーが記載している識別番号を使うのが一般的です。

PPEについては全て識別番号(シリアル#)及び製造年が記載されています。

例:ペツルハーネス

例:ペツルカラビナ

例:CAMP Safetyフォールアレストランヤード

例:ISCバックアップディバイス

写真の通りメーカーによって記載方法はことなりますが、製造年月や製造ロット番号、個体識別番号(シリアル#)が分かります。

これは商品購入時の取扱説明書やメーカーのサイト、各メーカーの点検マニュアル等で記載されている文字列のルールは確認出来ます。

例えば上記の例としてあげた「ペツルカラビナ」の赤線部分には

 20F0255874 341

と記載がありますが、読み取り方は下記の通りです。

  • 20 → 製造年 2020年
  • F   →   製造月 6月 ※Aが1月でアルファベット順
  • 0255874 → 製造ロット番号
  • 341 → 識別番号(シリアル#)

  ※文字列全ての組み合わせとして個体識別が出来ます。

と、このように一定のルールに基づいて記載されていますが、同じメーカーであっても製造年が古いものと記載の仕方が変わっているケースもありますので注意して下さい。

道具によってはメーカー記載のシリアル#とは別に独自に社内管理番号やIDを付与する場合もあります。その場合は同時にその番号も管理する必要があります。

まとめ

今回は個体識別番号を中心にお話しを進めました。まずは購入時に各用具に記載の情報を良く確認し、購入日や購入先・製造年月・個体識別番号などを確実に記録するようにしていきましょう。

パート2では「点検及び履歴や用具の耐用年数など」についてお話ししていきます。