海外のロープアクセスツールの老舗メーカー、フランスの「PETZL(ペツル)」とイタリアの「CAMP(カンプ)」。Fオンラインストアでも人気のある両メーカーのロープアクセスや高所作業に適した産業用フルハーネスの選び方をご案内します。
目次
- ペツル、カンプは海外のロープアクセスツールの老舗メーカー
- ペツル、カンプのフルハーネスは日本の安全基準を満たしているか
- ペツル、カンプの産業用のフルハーネスの選び方
- ペツル、カンプの産業用のフルハーネスの選びの注意点
- おすすめのペツル、カンプの産業用フルハーネス
- 命を預けるロープアクセスツールは信頼できる製品を正しく使いましょう
ペツル、カンプは海外のロープアクセスツールの老舗メーカー
PETZL(ペツル)とCAMP(カンプ)は長年にわたり、高所作業やロープアクセスなど産業用のロープアクセスツールと、登山やクライミングなどアウトドア・スポーツ向けのロープアクセスツールを製造してきました。
PETZL(ペツル)とは
PETZL(ペツル)は1975年にフランスで創業されたヘッドランプ、クライミングギア、産業用ロープアクセスツールのメーカーです。
産業用の製品はイエローカラーが特徴の「PETZL PROFESSIONAL」、アウトドア・スポーツ用の製品はオレンジカラーが特徴の「PETZL SPORT」として商品展開しています。
CAMP(カンプ)とは
創業130年の信頼と安全性に優れたイタリアの高所作業用ツールメーカーCAMP(カンプ)。CAMP(カンプ)の産業用の製品はレッドカラーが特徴の「CAMP WORK」、アウトドア・スポーツ用の製品はブルーカラーが特徴の「CAMP OUTDOOR」として商品展開しています。
ペツル、カンプのフルハーネスは日本の安全基準を満たしているか
基本的には日本国内で正規で流通しているペツルとカンプの産業用フルハーネスの主要製品は日本で2022年から定められた「墜落制止用器具の規格」(フルハーネス)について概ね適合しています。
製品を選ぶ際はそのハーネスが「墜落制止用器具の規格」に適合しているかを確認してください。
(当ストア「Fオンラインストア」で販売しているハーネスはすべて「墜落制止用器具の規格」に適してしています。)
注意:並行輸入商品は日本の規格に適合した証明がありませんのでご注意ください。
ペツル、カンプの産業用のフルハーネスの選び方
1.用途に合うフルハーネスの種類を選ぶ
あなたのフルハーネスの用途は?
産業用のフルハーネスには用途によって大まかに3種類のフルハーネスがあります。
用途 |
適したフルハーネスの種類 |
---|---|
フェンスに囲まれたビルの屋上で作業をする ※フェンス内作業 |
フルハーネス着用の必要無し |
屋上の縁(へり)、足場の上、高所作業車で作業する |
フォールアレスト用ハーネス(墜落制止用フルハーネス) |
はしご、柱上、鉄塔などで作業をする |
ワークポジショニング&フォールアレスト用ハーネス |
ロープにぶら下がって作業をする |
ロープアクセス用ハーネス |
■フォールアレスト用ハーネス(墜落制止用フルハーネス)
足場など高所からの墜落制止(フォールアレスト)をする「フォールアレスト用ハーネス」。シンプルな構造で軽量なフルハーネスです。
ペツル:「ニュートンファスト」「ニュートン」
カンプ:「フォーカスライトXT」
■ワークポジショニング&フォールアレストハーネス
高所からの墜落制止(フォールアレスト)に加えて、足場のない高所作業でワークポジショニングランヤードに体重を預けて作業姿勢を安定させる技術「ワークポジショニング」をサポートする「ワークポジショニング&フォールアレストハーネス」です。ワークポジショニング用のアタッチメントに加えて、高所での姿勢を維持するための幅が広いウエストベルトとレッグループが特徴です。
ペツル:「ボルト アバオ シリーズ」
カンプ:「ジーティー」
■ロープアクセスおよびすべての高所作業用ハーネス
足場を利用せずにロープを使って登高及び下降したり、横の移動を行うロープアクセス技術を行う際には、ロープアクセス用ハーネスをおすすめします。ロープを登高できるチェストアセンダー(登高器)がハーネスに組み込まれており、ロープ上での作業効率を向上させます。
墜落制止(フォールアレスト)、ワークポジショニングもサポートされているすべての高所作業で使用できるフルハーネスです。
ペツル:「アストロ ボッド ファスト」
カンプ:「ジーティーターボ」
2.適したサイズを選ぶ
海外メーカーのフルハーネスのため日本人の体格に合うか不安に思われるかたもいらっしゃると思いますが、サイズ調節のできるベルトループで問題なく装着して使用することができます。
基本的には日本メーカーのフルハーネスのサイズ選びと同じく、
「胴まわり(ウエスト)」
「身長」
「腿(もも) レッグループ」
にもっとも適したサイズを選びます。
もしサイズ選びに不安があれば、ストアや販売店のスタッフに相談してみましょう。
参考までに当ストアのスタッフのサイズ選びを紹介します。
「男性 170cm、体重63kg 細身体型」の場合
ペツルのハーネスは「サイズ1」もしくは「サイズ0」のどちらでも大丈夫です。
カンプのハーネスは「SーLサイズ」が最もフィットします。
もしこのスタッフより体型が細身、小柄な場合は、ペツルでは「サイズ0」、太め、大柄な場合はペツルでは「サイズ1」をおすすめします。
ハーネスなど一般的に繊維を使ったツールの耐用年数は最大10年ですが、使用頻度や点検結果にもよりますが3年から5年が買い替えサイクルだと思います。
個人によって異なりますが、年齢を重ねるごとにウエストが太めになる傾向があります。今後数年で自分の体格の変化が考えられる場合は、少し余裕を持ったサイズ選びをおすすめします※。
※あくまで現状体型に合ったものを購入することが前提です。
参考
サイズ表 PETZL(ペツル)アストロ ボッド ファスト 国際バージョン ASTRO BOD FAST International Version
サイズ |
0 |
1 |
2 |
ウエストベルト |
65 – 80 cm |
70 – 93 cm |
83 – 120 cm |
レッグループ |
44 – 59 cm |
47 – 62 cm |
50 – 65 cm |
身長 |
160 – 180 cm |
165 – 185 cm |
175 – 200 cm |
製品の重量 |
2480 g |
2530 g |
2620 g |
ペツル、カンプの産業用のフルハーネスの選びの注意点
海外メーカーは製品ごとに規格があるため原則別売り。製品の組合せ間違いや購入漏れには注意が必要です。
海外メーカーは製品ごとに規格が定められているので、原則別売りです。そのためフルハーネス、ランヤード、コネクタなど、どの商品の組合せで購入するべきかを確認する必要があります。
確認する方法としてはメーカーのサイトを確認するか、販売店に相談してください。
なお、当サイトでは、よく組合せ間違いや購入漏れがある製品を「組合せ商品」として提供しております。
組合せ商品
PETZL(ペツル) ニュートン 欧州バージョン組合せ3点セット (ニュートン 欧州バージョン + アブソービカY MGO欧州バージョン150cm + スイベル オープン)
PETZL(ペツル) アサップ ロック組合せ3点セット (アサップ ロック + アサップソーバー40cm + ビーエムディ トライアクトロックBm'D TLU
おすすめのペツル、カンプの産業用フルハーネス
種類ごとにペツルとカンプのおすすめの産業用フルハーネスを紹介します。
■墜落制止用フルハーネス
足場などの高所作業での墜落制止用フルハーネスはシンプルな構造の「ペツル ニュートン ファスト」、「ペツル ニュートン」、「カンプ フォーカスライトXT」が最適です。
胸部と背部にアタッチメントポイントを持つ、シンプルで軽量な墜落制止用のフルハーネスです。
PETZL(ペツル) ニュートン ファスト 欧州バージョン
PETZL(ペツル) ニュートン 欧州バージョン
CAMP(カンプ) フォーカスライトXT
■ワークポジショニング&フォールアレストハーネス
足場のない高所作業では、フルハーネスに吊り下がって作業姿勢を安定させる技術(ワークポジショニング)が必要です。必要なワークポジショニング技術(U字つり、シングル)に応じた製品が適しています。
CAMP(カンプ) GT ジーティー
■ロープアクセス用フルハーネス
足場を利用せずにロープを使って登高したり横の移動を行うロープアクセス技術を行う際には、ロープアクセス用ハーネスをおすすめします。
PETZL(ペツル) アストロ ボッド ファスト 国際バージョン
CAMP(カンプ) GTターボ ジーティーターボ
以上、海外メーカーのフルハーネスの選び方とおすすめの製品をご紹介しました。
フルハーネス選びの際にサイズや種類に迷ったら、是非お問い合わせからご相談ください。
命を預けるロープアクセスツールは信頼できる製品を正しく使いましょう
どんな良い製品でも正しく使うことが必要です。
1.取扱説明書をちゃんと読むこと
海外メーカーの製品は英語の文章もありますが、図で説明されていますので、必ず目を通してみてください。AIトランスレーターも大いに役に立ちます。
2.メーカーのサイトを確認する
メーカーサイトには製品の説明書やメンテナンス・点検についての案内、使い方の説明動画など豊富な情報があります。
3.正しく使うための適正な訓練を受ける
ハーネスの講習やロープアクセスの講習などの訓練を受けて正しい技術と道具の使用方法を学びましょう。
※不明な点はメーカー、販売店、技術講習のインストラクターに確認しましょう